「川中島の戦い」
「川中島の戦い」は永禄 4 年 (西暦 1561 年) 信濃国 (しなののくに) で行われました。絵は、馬に乗った越後の上杉謙信 (うえすぎけんしん) が、甲斐の武田信玄 (たけだしんげん) めがけて斬りつけようとし、信玄がその刀を扇で受け止めようとしているところです。出雲では、毛利と尼子の戦いが続いていた頃で、尼子軍が加賀の城を攻めたのは、この次の年、永禄 5 年のことでした。「奉献 (ほうけん) 御宝前 (ごほうぜん) 当邑船持中 (とういうふなもちじゅう)」と書いてあります。御宝前は神様の御前、当邑の邑は村ですから、「神様の前に、この村、つまり加賀村の船持ちみんなで、この絵馬をお供えします。」ということです。左側の額には「天保十一年子 (ねの) 八月十三日」と書いてあります。天保十一年 (西暦 1840 年)、子の年の 8 月 13 日はこの加賀神社の上葺遷宮 (うわぶきせんぐう) が行われた日です。お宮の屋根がえが終わって、仮りのお宿から神様がおもどりになられる日が一番の吉日だということで、その日を選んで奉納したというわけです。幅 260 センチほどの絵の右端に「庚子 (かのえね) 仲秋日 (ちゅうしゅうび) 製」、その左に「玉山人 (ぎょくさんじん)」と画家の名、その上にも字が二つありますが読めません、奉納した船持ちたちの名前は絵の右下と左下に 6 名ずつ書かれています。
(島根町誌 (昭和 62 年 : 島根町教育委員会発行) より抜粋)